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運動器リハビリテーションの期間はどのくらい?150日の意味と続け方

運動器リハビリテーションは、骨や関節、筋肉、靭帯、神経といった体を動かす仕組みの不調に対して、理学療法士や作業療法士が個別に行う訓練を指します。骨折や手術のあと、変形性関節症、スポーツによるけがなど、対象になる状態は幅広いものです。

期間について調べると、多くのページに150日という数字が出てきます。この150日は、体が治るまでの期間ではありません。保険で所定の点数を算定できる期間の上限であって、その日を境に体の回復が止まるわけではないのです。

この記事では、150日という数字が何を指すのか、起算日はいつなのか、1回どのくらいの時間で週に何回通うのか、そして150日を過ぎたあとにどのような選択肢があるのかを順に整理します。蕨セントラル整形外科では、理学療法士が行う運動器リハビリテーションを実施しており、進め方や期間の見通しについてもご相談いただけます。

この記事の監修者

蕨セントラル整形外科 院長 宮沢知修

蕨セントラル整形外科 院長 宮沢 知修

日本整形外科学会認定 整形外科専門医/日本スポーツ協会公認 スポーツドクター/運動器リハビリテーション認定医

埼玉医科大学を卒業後、朝霞台中央総合病院、虎ノ門病院、坂戸中央病院などに勤務。2025年4月より蕨セントラル整形外科の院長を務めています。整形外科専門医として、骨や関節、筋肉、神経といった運動器の痛みやけがの診療にあたっています。

本記事は、蕨セントラル整形外科の院長である宮沢知修医師が、医学的な観点から内容を確認しています。

運動器リハビリテーションとは何か

運動器リハビリテーションは、運動器の障害によって落ちた機能を回復させ、日常生活や仕事に戻ることを目的とした訓練です。医師の指示のもとで、理学療法士が一人ひとりの状態に合わせて内容を組み立てていきます。

対象になる状態は大きく3つに分けられます。1つ目は、骨折や靭帯の損傷、切断や離断といった外傷と、その手術のあとです。2つ目は、変形性関節症のように関節が変性して痛みや動きの制限が出ている状態を指します。3つ目が、スポーツや仕事の繰り返し動作で起きた障害でしょう。

内容は、関節を動かす訓練、筋力をつける訓練、歩き方や動作の練習、痛みを和らげる物理療法などを組み合わせて進みます。マッサージを受けるだけの時間ではなく、自分で体を動かして機能を取り戻していく時間だとお考えください。

理学療法士が直接つく個別の訓練である点も特徴になります。集団で行う体操教室とは仕組みが異なり、その日の状態を見ながら負荷や種目を調整していきます。

受けるには医師の診察と指示が必要です。整形外科を受診して原因を確かめ、リハビリが適していると判断されたところから始まります。痛みやしびれが気になって何科に行けばよいか迷う場合も、まずは整形外科で相談してみてください。診察と画像検査で状態を確認したうえで、訓練が必要かどうかを判断してもらえます。

保険で受けられる期間は原則150日

運動器リハビリテーションを保険で受けられる期間は、原則として150日までです。厚生労働省の診療報酬の算定方法では、運動器リハビリテーション料について「発症、手術若しくは急性増悪又は最初に診断された日から150日を限度として所定点数を算定する」と定められました。

この日数は、リハビリの種類によって変わります。心大血管疾患は150日、脳血管疾患等は180日、運動器は150日、呼吸器は90日と、それぞれ別に設定されているのです。同じリハビリという言葉でも、扱う領域によって想定される回復の道のりが違うためでしょう。

なぜ日数に区切りがあるのかというと、集中的な訓練が最も効果を発揮しやすい時期に資源を振り向ける狙いがあるからでしょう。けがや手術のあとは、体の反応が大きく、同じ努力でも変化が出やすい期間になります。その時期を逃さずに支えるという考え方が、期間の設定に反映されています。

ここで押さえておきたいのは、150日が保険上の区切りであって、医学的な回復の期限ではないという点です。150日で体が完成するわけでもなければ、それ以降に良くならないわけでもありません。制度上の目安と、自分の体の変化は分けて考えてください。

起算日は受診した日ではない

見落としやすいのが、150日を数え始める日です。起点になるのは、発症した日、手術を受けた日、急性増悪した日、または最初に診断された日であって、そのクリニックに通い始めた日ではありません。

たとえば、けがをしてから2か月ほど自己流で様子を見て、それから受診した場合には、通い始めた時点ですでに60日ほどが経過している計算になります。転院してきた方も同じで、前の医療機関で受けた期間は引き継がれます。

自分の起算日がいつなのかは、受付や主治医に確認しておくと見通しを立てやすくなるでしょう。残りの期間が分かっていれば、優先して取り組む課題も決めやすくなります。

1回の時間と通う頻度の目安

1回のリハビリは、20分を1つの区切りとして進みます。診療報酬では20分以上の個別療法を1単位と数え、1日に算定できるのは6単位までと決められました。つまり20分の訓練を1単位と考えると、その日の内容によって40分や60分になる場合もあるということです。

通う頻度は、状態や生活の事情によって変わります。術後や急性期には短い間隔で通い、状態が落ち着いてくると間隔を空けていく流れが一般的でしょう。医療機関の体制やご本人の通いやすさも関わってくるため、一律の正解はありません。

大切なのは、通う回数そのものより、通っていない日に何をするかです。週に1回20分から40分の訓練だけで体が変わるわけではなく、自宅で続ける運動と組み合わせて初めて積み上がっていきます。蕨セントラル整形外科では、理学療法士が自宅で続けられる運動の指導も行っています。

期間の後半になるほど、通う回数を減らしながら自主トレーニングへ比重を移していく形が増えるでしょう。終わりに向けて少しずつ手を離していく設計だとイメージしてください。

自宅で続ける運動の組み立て方

自宅での運動は、数を増やすことよりも続けられる形にすることが優先されます。種目が10種類あっても実行できなければ意味がありませんので、朝と晩に2種目ずつといった現実的な量から始めてみましょう。

歯みがきのあと、入浴のあとというように、すでに毎日行っている習慣にくっつけると忘れにくくなります。回数や秒数を決めておくと、その日の気分に左右されずに済むでしょう。

うまく続かないときは、量が多すぎるか、やり方が難しすぎるかのどちらかである場合がほとんどです。次の受診時に正直に伝えれば、内容を組み替えてもらえます。できなかったことを責められる場ではありませんので、遠慮なく共有してください。

150日を過ぎたあとの選択肢

150日を過ぎても、リハビリが一律に打ち切られるわけではありません。前述の告示では、別に定められた患者について、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合などには、150日を超えて算定できるとされています。

ただし、誰でも自動的に延長されるものではないという点は理解しておきましょう。継続するかどうかは、症状の経過や改善の見込みをもとに医師が判断します。継続できる場合でも、月あたりの回数に上限が設けられることがありますので、詳しい取り扱いは主治医や受付にご確認ください。

要介護の認定を受けている方では、介護保険のサービスへ移る流れになる場合もあります。通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションといった選択肢があり、生活の場に近いところで続けられる利点があるでしょう。

そして最も多いのが、自主トレーニングへ移行する形です。通う回数が減っても、身につけた運動を自分で続けていければ、獲得した機能は保てます。むしろ、期間内にどれだけ自分でできる形に落とし込めたかが、その後を左右すると考えてください。

卒業という言葉のイメージも整理しておきましょう。痛みがゼロになった時点で終わるとは限らず、日常生活や仕事に必要な動作を自分で管理できる状態になったところが1つの区切りになります。症状が変化したときに再び相談できる関係を残しておけば、通わなくなることが断絶にはなりません。

期間を有効に使うために意識したいこと

限られた期間を生かせるかどうかは、通い方で変わります。避けたいのは、受け身で通うだけになること、痛みを理由に自宅での運動をやめてしまうこと、そして自己判断で途中から通わなくなることです。

理学療法士の手で動かしてもらう時間は、体の状態を確認し、次に進む方向を決めるための時間でもあります。何のためにその運動をしているのかが分からないまま続けていると、自宅で再現できません。目的が曖昧に感じたときは、遠慮なく質問してみましょう。

痛みが出ると運動を止めたくなりますが、すべての痛みが悪いわけではありません。動かした直後に強くなってすぐ引く痛みと、翌日まで残って腫れを伴う痛みでは意味が違います。どこまでなら続けてよいのかを理学療法士と共有しておけば、迷わずに済むでしょう。

途中でやめてしまうと、そこまで積み上げた分が戻りにくくなります。仕事や家庭の事情で通えない時期があるときは、黙って中断せず、自宅でできる内容に切り替える相談をしてください。効果が感じられないと思うときも同じで、内容を見直せば変わる場合があります。

記録を残すことも役立つでしょう。歩ける距離、痛みの強さ、できるようになった動作を書き留めておけば、変化が見えて続ける力になりますし、医師と理学療法士が方針を判断する材料にもなります。

家族や職場と見通しを共有しておくことにも意味があります。いつごろまで通院が必要そうなのか、どの動作を控えたほうがよいのかが伝わっていれば、無理な作業を頼まれる場面を減らせるでしょう。仕事への復帰時期についても、早めに主治医と相談して段階を決めておくと調整しやすくなります。

よくある質問

Q. 運動器リハビリテーションはいつまで通えますか。

A. 保険で所定の点数を算定できる期間は、原則として発症や手術などから150日までです。ただし、治療を続けることで改善が期待できると医学的に判断される場合などには、150日を超えて継続できる仕組みも設けられています。実際にいつまで通うかは、症状の経過を見ながら主治医と相談して決めていきます。

Q. 150日の起算日はいつからですか。

A. 発症した日、手術を受けた日、急性増悪した日、または最初に診断された日が起点になります。そのクリニックに通い始めた日ではないため、受診が遅れた場合はすでに日数が進んでいることがあります。

Q. リハビリは1回何分で週何回くらい通いますか。

A. 20分以上の個別療法を1単位と数え、1日に受けられるのは6単位までと決められています。頻度は状態や生活の事情によって変わり、急性期は短い間隔、落ち着いてきたら間隔を空けていく流れが一般的です。

Q. 途中でやめるとどうなりますか。

A. 積み上げた筋力や動きの改善は、使わない期間が続くと戻りにくくなります。通えない事情があるときは中断してしまう前に相談し、自宅でできる内容に切り替える方法を検討してください。

Q. 150日を過ぎたら介護保険に移るのですか。

A. 要介護の認定を受けている方では、通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションといった介護保険のサービスへ移る流れになる場合があります。該当するかどうかは個別に異なりますので、主治医やケアマネジャーにご確認ください。

蕨でリハビリの続け方に悩んだら

期間の見通しが分からないまま通い続けると、不安が残ったままになってしまいます。いつまでに何を目指すのかを共有できていれば、限られた期間の使い方も変わってくるでしょう。

蕨セントラル整形外科は、骨、筋肉、靭帯、関節、神経といった運動器の疾患全般に対応しており、理学療法士が行う運動器リハビリテーションを実施しています。診察で状態を確認したうえで、通院中の訓練と自宅で続ける運動を組み合わせて進められる体制です。

JR京浜東北線の蕨駅から徒歩8分の場所にあり、無料駐車場を30台分完備しています。小さなお子さんからご高齢の方まで幅広い年齢層の方が受診されていますので、リハビリの進め方や期間について迷っている方は一度ご相談ください。

参考文献

1.   厚生労働省「診療報酬の算定方法」(平成20年3月5日厚生労働省告示第59号)第7部リハビリテーション

2.   厚生労働省東北厚生局「保険診療と個別指導(医科)第8回 リハビリテーション、実施と診療報酬算定の留意事項」参考資料, 2025.

3.   厚生労働省「リハビリテーションの標準的算定日数に関する関係団体への聞き取り調査(報告書)」

 



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