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骨粗鬆症の治療は何をする?薬の種類と続けるための現実的な工夫

骨粗鬆症は、骨の量が減って骨がもろくなり、わずかな力でも骨折しやすくなる状態を指します。治療の中心は薬物療法で、そこに食事と運動を組み合わせて進めていきます。

ここで押さえておきたいのが、治療の目的です。日本内科学会雑誌の総説では、骨粗鬆症の予防と治療の目的は骨折を予防し骨格の健康を保って、生活機能と生活の質を維持することだと述べられました。骨密度の数値を上げること自体がゴールではないわけです。

この記事では、薬の種類と投与間隔、治療が続かなくなる流れ、続けるための工夫、そして副作用や食事と運動までを順に整理します。蕨セントラル整形外科は骨粗鬆症検査に対応しており、検査から治療の相談、理学療法士や作業療法士が行う運動器リハビリテーションまで一貫して進められる体制です。

この記事の監修者

蕨セントラル整形外科 院長 宮沢知修

蕨セントラル整形外科 院長 宮沢 知修

日本整形外科学会認定 整形外科専門医/日本スポーツ協会公認 スポーツドクター/運動器リハビリテーション認定医

埼玉医科大学を卒業後、朝霞台中央総合病院、虎ノ門病院、坂戸中央病院などに勤務。2025年4月より蕨セントラル整形外科の院長を務めています。整形外科専門医として、骨や関節、筋肉、神経といった運動器の痛みやけがの診療にあたっています。

本記事は、日本整形外科学会認定の整形外科専門医である蕨セントラル整形外科 院長 宮沢知修医師が、医学的な観点から内容を確認しています。

骨粗鬆症の治療が目指すもの

治療が目指すのは、骨折を防いでいまの生活を続けられるようにすることです。数値の改善はそのための手段であって、目的そのものではありません。

同じ総説によれば、日本にはおよそ1300万人の骨粗鬆症の患者がいると推定されています。それだけ多くの方が対象になる一方で、日本整形外科学会が説明するとおり、骨粗鬆症になっても痛みはないのが普通です。自覚症状がないまま進み、転ぶなどのちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。

治療を支えるのは、薬物療法、食事、運動の3つです。薬は骨の代謝に直接働きかける役割を担い、食事は骨の材料を用意し、運動は骨に刺激を与えて骨と筋肉の両方を保ちます。どれか1つだけでは足りず、3つがそろって初めて力を発揮するとお考えください。

背骨や大腿骨をすでに骨折している場合は、骨折そのものの治療と並行して薬物療法を始めます。一度折れた方は次の骨折が起きやすいため、早い段階から手を打つ意味が大きくなるでしょう。

診断がついた時点で始めるかどうか迷う方もいます。痛みがないぶん、もう少し様子を見てからでもよいのではないかと考えるのは自然な反応です。ただし骨の量は待っている間にも減っていきますし、失われた分を元どおりにするのは容易ではありません。始める時期が早いほど、守れる範囲は広がると考えてください。

 

薬物療法の種類と投与間隔

骨粗鬆症の薬は、働き方によって大きく2つに分かれます。骨が壊れるのを抑える薬と、骨を作る働きを高める薬です。

骨が壊れるのを抑える薬には、ビスホスホネート、SERM、デノスマブなどがあります。骨を作る働きを高める薬にはテリパラチドがあり、両方の作用を持つロモソズマブという薬も使われるようになりました。これらに加えて、骨の材料や代謝を助ける活性型ビタミンD3やビタミンK2が併用される場合もあります。

どの薬を選ぶかは、骨密度の値、これまでの骨折の有無、年齢や持病、飲み合わせなどを踏まえて主治医が判断します。骨折のリスクが高い方には骨を作る働きを高める薬から始め、その後に骨が壊れるのを抑える薬へ切り替えるという流れが取られることもあるでしょう。

投与間隔の幅が続けやすさを左右する

投与間隔には幅があります。内服には毎日飲むもの、週に1回のもの、月に1回のものがあり、注射にも月に1回、半年に1回、1年に1回といった間隔のものが存在します。

この幅は、単なる利便性の違いではありません。同じ総説でも、薬を選ぶときには骨密度を増やす効果や骨折を防ぐ効果のエビデンスだけでなく、患者が指示どおりに続けられるかどうかを念頭に置くべきだと指摘されています。飲み忘れが続くくらいなら、間隔の長い薬に変えたほうが結果として効果を得られる場合があるわけです。

毎日の内服は起床時に水で飲んで30分ほど横にならないなど、飲み方に条件がつくものもあります。生活のリズムに合わないと感じたら、我慢して続けるより先に相談してみましょう。

効果をどう確かめるのかも知っておくと安心です。骨密度の測定に加えて、骨の代謝の状態を血液や尿で調べる検査が使われることもあります。骨密度の変化はゆっくり現れるため、短い間隔で測っても差が見えにくい一方、代謝の指標は比較的早い時期に動きます。数値が思うように変わらないときも、飲み方や薬の選択を見直す材料になるでしょう。

 

治療が続かなくなる4つの段階

骨粗鬆症の治療でいちばん多い失敗は、効かなかったことではなく、続かなかったことです。中断はある日突然起こるのではなく、いくつかの段階を経て進みます。

最初の段階は、効果を実感できないことです。痛みがある病気なら薬が効いたかどうかは体感で分かりますが、骨粗鬆症には自覚症状がありません。飲んでも変化を感じられないため、意味があるのか分からなくなってしまいます。

次に来るのが、飲み方の負担です。起床時に飲む、飲んだあと横にならないといった条件は、旅行や来客のある日には守りにくくなります。守れなかった日が続くと、そのうち飲まなくなるという流れが生まれるでしょう。

3つ目が、副作用の情報に触れて不安になる段階です。ニュースやインターネットで見た情報だけが記憶に残り、確認しないまま自己判断で中止してしまうケースがあります。

そして最後が、通院が途切れることです。忙しい時期に一度受診を飛ばすと、次の予約もあいまいになり、薬がなくなった時点で治療そのものが終わってしまいます。骨密度は薬をやめると再び下がっていくため、ここで積み上げたものが失われてしまうわけです。

 

続けるための工夫

続けるための工夫は、気合いではなく仕組みで用意します。うまくいかない部分を主治医に伝えれば、変えられる要素はいくつもあります。

まず投与間隔の見直しです。毎日の内服が負担なら週に1回や月に1回の薬に、内服そのものが難しければ注射という選択肢もあります。どれも効果が確かめられている治療ですので、続けられる形を選ぶことに引け目を感じる必要はありません。

服薬のタイミングを生活に紐づける方法も有効でしょう。歯みがきのあと、朝の薬を並べておくといった工夫で、意識しなくても手が動くようになります。飲み忘れたときにどうするかを事前に確認しておけば、慌てて自己判断することも減ります。

次回の予約をその場で取っておくことも、地味ですが効いてくるでしょう。骨粗鬆症の治療では定期的に効果を確かめますし、厚生労働省の診療報酬の算定方法では、治療を開始した日から起算して1年以内であれば4か月に1回まで骨塩定量検査を算定できると定められました。次の測定日が決まっていれば、そこまでは続けようという目安になります。

家族に共有しておくことも支えになります。何のための薬なのか、いつまで続ける見込みなのかを家族が知っていれば、飲み忘れに気づいてもらえますし、通院の予定も立てやすくなるものです。お薬手帳に骨粗鬆症の治療中であることを記しておけば、他の医療機関や歯科でも情報が伝わります。

蕨セントラル整形外科でも、検査の結果を見ながら治療の進み具合を確認し、理学療法士や作業療法士が行う運動器リハビリテーションと組み合わせて進められます。続けにくさを感じている段階でご相談いただければ、途切れる前に手を打てるでしょう。

 

副作用が心配なときに知っておきたいこと

副作用への不安は、自己判断で中止する前に相談していただくのがいちばんです。心配になる気持ちは自然なものですし、内容を確認したうえで薬を変える選択もあります。

内服のビスホスホネートでは、胃や食道への刺激が出ることがあります。起床時に十分な水で飲み、しばらく横にならないという飲み方は、この刺激を避けるためのものです。飲み方を守っても症状が続くようなら、別の薬に変える相談ができます。

顎の骨に関わる副作用も知られていますが、まれに報告されるものです。歯の治療、特に抜歯の予定があるときは、骨粗鬆症の薬を使っていることを歯科で必ず伝えてください。事前に分かっていれば、歯科と整形外科で相談しながら進められます。反対に、歯科での治療を理由に自己判断で薬をやめてしまうことは避けたいところです。

自分で中止したときに何が起きるかも知っておきましょう。薬をやめると骨密度は再び下がっていきますし、種類によっては中止後に急な変化が起こることも指摘されています。やめたいと思ったときこそ、その理由を持って受診していただくのが安全です。

インターネットで見た情報の扱い方も一言添えておきます。副作用の話題は目を引くため記憶に残りやすい一方、どのくらいの頻度で起きるのか、どういう人に多いのかまでは書かれていないことが少なくありません。気になる記述を見つけたら、その画面を持って受診していただければ、自分に当てはまるかどうかを一緒に確認できます。

 

食事と運動でできること

食事と運動は薬の代わりにはなりませんが、治療の土台として欠かせません。薬だけに頼るより、3つをそろえたほうが結果につながりやすくなります。

食事では、カルシウムに加えてビタミンDやビタミンKを意識します。日本整形外科学会も、予防としてカルシウムを十分にとること、ビタミンD、ビタミンK、リン、マグネシウムをとることを挙げました。極端な食事制限は骨にとって不利に働きますので、量を減らすより内容を整えるほうへ意識を向けてみましょう。

運動については、厚生労働省のe-ヘルスネットで、骨に刺激が加わるウォーキングや筋力トレーニングが骨粗鬆症の予防にすすめられています。骨は刺激を受けることで強さを保つ性質があるため、体重がかかる運動に意味があるわけです。

転ばないための対策も治療の一部だとお考えください。どれだけ骨を守っていても、転んで強い力が加われば骨折は起こります。段差をなくす、滑りにくい履物を選ぶ、明かりを確保するといった住環境の工夫と、バランスを保つ運動の両方が役立つでしょう。

どんな運動をどのくらい行えばよいのか迷う場合は、リハビリの場で確認できます。膝や腰に別の問題を抱えている方では、一般的にすすめられる運動がそのまま当てはまらないこともあるものです。今の体の状態に合わせて内容を決めておけば、無理なく続けられます。

 

よくある質問

Q. 骨粗鬆症の治療はいつまで続けますか。

A. 骨折を防ぐという目的が続く限り、治療も続くと考えてください。薬をやめると骨密度は再び下がっていくため、自己判断での中止はすすめられません。ただし薬の種類によっては一定期間で見直すこともありますので、いつまで続けるのかを主治医に確認しておくと見通しが立ちます。年単位の付き合いになる前提で、続けやすい形を最初に選んでおくことが大切でしょう。

Q. 骨粗鬆症の薬にはどんな種類がありますか。

A. 骨が壊れるのを抑える薬としてビスホスホネート、SERM、デノスマブなどがあり、骨を作る働きを高める薬としてテリパラチド、両方の作用を持つロモソズマブがあります。骨の材料や代謝を助ける活性型ビタミンD3やビタミンK2が併用される場合もあります。

Q. 骨粗鬆症の薬をやめたいときはどうすればよいですか。

A. やめたい理由を持って受診してください。飲み方が負担なら投与間隔の長い薬や注射に変えられますし、副作用が心配なら内容を確認したうえで別の薬を検討できます。自己判断で中止すると、積み上げた効果が失われてしまいます。

Q. 骨粗鬆症は何科を受診すればよいですか。

A. 整形外科が窓口になります。骨密度の測定に加えて、背骨の変形や過去の骨折の有無もあわせて確認できるためです。治療を始めたあとの経過観察も同じ窓口で続けられます。婦人科や内科で治療を受けている方もいますので、すでに通院先があるならそこで相談していただいて差し支えありません。

Q. 食事と運動だけで骨粗鬆症は治りますか。

A. 食事と運動は治療の土台ですが、薬の代わりにはなりません。骨密度がすでに低い場合は薬物療法を中心に据え、そこに食事と運動を組み合わせる形が基本になります。予防の段階であれば、食事と運動の比重が大きくなるでしょう。

 

蕨で骨粗鬆症の治療に悩んだら

薬が続かない、副作用が気になる、そもそも治療を始めるべきか迷っているという段階でも、相談していただいて構いません。続けにくさを抱えたまま自己判断で中断してしまうより、途中で方針を変えるほうがずっと前に進みます。

蕨セントラル整形外科は、骨、筋肉、靭帯、関節、神経といった運動器の疾患全般に対応しており、骨粗鬆症検査にも対応しています。検査で状態を確認し、治療の相談から、理学療法士や作業療法士が行う運動器リハビリテーションによる転倒予防まで一貫して進められる体制です。

JR京浜東北線の蕨駅から徒歩8分の場所にあり、無料駐車場を30台分完備しています。小さなお子さんからご高齢の方まで幅広い年齢層の方が受診されていますので、治療の続け方に迷っている方は一度ご相談ください。

 

参考文献

  1. 「V.骨粗鬆症の薬物療法」日本内科学会雑誌, 111巻4号, 758-764頁, 2022.
  2. 日本整形外科学会「骨粗鬆症(骨粗しょう症)」症状・病気をしらべる
  3. 厚生労働省 e-ヘルスネット「骨粗鬆症予防のための運動、骨に刺激が加わる運動を」
  4. 厚生労働省「診療報酬の算定方法」(平成20年3月5日厚生労働省告示第59号)D217 骨塩定量検査
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