骨粗鬆症は、痛みもなく静かに進む病気です。骨がもろくなっても自覚症状はほとんどなく、多くの方が「まさか自分が」と思っているうちに、骨は少しずつスカスカになっていきます。そして気づくのは、ちょっとした転倒で骨折してしまったときです。
だからこそ、骨粗鬆症は症状が出てからではなく、症状が出る前に検査で見つけることに、大きな意味があります。検査は痛みもなく短時間で終わり、今の骨の状態を数値で示してくれるでしょう。
骨の健康が気になっている方に向けて、どんな人が検査を受けたほうがよいのか、検査で何がわかり、そのあとどうなるのかを整理します。蕨セントラル整形外科でも、骨粗鬆症の検査や相談を受け付けています。
この記事の監修者
蕨セントラル整形外科 院長 宮沢 知修
日本整形外科学会認定 整形外科専門医/日本スポーツ協会公認 スポーツドクター/運動器リハビリテーション認定医
埼玉医科大学を卒業後、朝霞台中央総合病院、虎ノ門病院、坂戸中央病院などに勤務。2025年4月より蕨セントラル整形外科の院長を務めています。整形外科専門医として、骨や関節、筋肉、神経といった運動器の痛みやけがの診療にあたっています。
本記事は、蕨セントラル整形外科の院長である宮沢知修医師が、医学的な観点から内容を確認しています。
骨粗鬆症はなぜ怖いのか
骨粗鬆症は、骨の中身がスカスカになり、骨がもろく折れやすくなる病気です。若い頃は詰まっていた骨のカルシウムなどが、加齢とともに少しずつ抜けていき、骨の強さが落ちていきます。
こわいのは、進行しても痛みなどのサインが出にくいという点です。健康なつもりで過ごしているうちに骨はもろくなり、転倒や、ときには尻もちや重い荷物を持ち上げた程度の負担でも骨折してしまうことがあります。特に背骨や足の付け根の骨折は、寝たきりや介護が必要な状態につながりやすく、そのあとの生活を大きく変えてしまいます。骨折をきっかけに動く機会が減ると、筋力や体力まで落ち、健康寿命にも関わりかねません。
さらに見落とされやすいのが、背骨で起こる「いつのまにか骨折」です。はっきり転んだ覚えがないのに、日常の動作で背骨が少しずつつぶれていくもので、背が縮む、背中が丸くなるといった変化として現れます。一度骨折すると次の骨折が起こりやすくなる連鎖も知られており、最初の一回を防ぐことがとても大切になります。
骨折を避けるには、骨がもろくなる前や、なり始めの段階で気づくことが欠かせません。気づく手立てになるのが、骨の状態を数値で確かめる検査です。
こんな方は骨粗鬆症の検査を
では、どんな人が検査を受けたほうがよいのでしょうか。骨密度は加齢とともに誰でも下がっていくため、ある年代からは一度確かめておくと安心です。
特に受けておきたいのが、閉経を迎えた女性です。女性ホルモンには骨を守る働きがあり、閉経後は女性ホルモンが減ることで、骨密度が急に下がりやすくなります。骨粗鬆症は男性より女性にずっと多く、閉経は大きな節目になります。
年齢の目安としては、女性は50歳前後から、男性も含めて65歳を過ぎたら、一度は検査を考えたいところです。加えて、次のような方は、年齢にかかわらず早めの検査が勧められます。若い頃より背が縮んだ、背中が丸くなってきた、家族に骨粗鬆症や足の付け根を骨折した人がいる、痩せ型で小柄である、たばこやお酒の量が多い、といった心当たりのある方です。
見過ごされやすいのが、持病や薬の影響です。ステロイドの飲み薬を長く使っている方、糖尿病や関節リウマチ、甲状腺の病気などを持つ方は、骨がもろくなりやすいと知られています。治療で薬を使っている場合は、担当の医師に骨の状態を相談しておくと安心でしょう。
また、若い頃の過度なダイエットや運動不足、極端な痩せは、将来の骨の蓄えを減らす一因になります。骨の貯金は若いうちに作られるため、年齢を問わず、骨によい生活を意識しておくと安心です。
そして、軽く転んだだけで手首や背骨を骨折した経験がある方は、すでに骨がもろくなっているサインかもしれません。次の骨折を防ぐためにも、痛みが治まっても一度は骨の状態を確かめておいてほしいところです。
検査で調べることと、受け方の流れ
骨粗鬆症の検査では、骨密度、つまり骨にどれくらいミネラルが詰まっているかを測り、若い頃の平均と比べて骨の強さを評価します。検査そのものは、寝台に横になっている間に測定が終わり、数分から十数分ほどで済みます。痛みはなく、体への負担もほとんどありません。
検査の予約や受け方は医療機関によって異なりますが、多くは受診して問診を受けたうえで測定し、後日か当日に結果を聞くという流れになります。骨密度の数値に加えて、血液や尿で骨の新陳代謝の状態を調べることもあり、いくつかの情報を合わせて総合的に判断するのが一般的です。
検査の結果しだいで、そのあとの進み方が分かれます。骨密度が保たれていれば、生活を見直しながら定期的に確かめていきます。骨量が減り始めている、あるいは骨粗鬆症と診断された場合は、食事や運動、必要に応じた薬による治療を始め、経過を見ながら再検査で効果を確かめていくという流れです。定期的に受ける場合の間隔は状態によりますが、半年から一年ごとに確かめることが多いといわれます。
なお、骨密度をどんな装置で測るかにはいくつかの方法があり、目的によって使い分けられています。どの検査が自分に合うか迷うときは、整形外科で相談するのが確かです。骨粗鬆症の検査や治療は主に整形外科で受けられ、検査からその後の治療、骨折を防ぐ運動指導まで一貫して任せられる心強さがあります。
早く見つけるほど、骨は守りやすい
骨粗鬆症は、早く見つけて手を打つほど、骨を守りやすくなる病気です。すり減った骨をすぐに元へ戻すことは難しくても、早い段階で対策を始めれば、骨密度の低下をゆるやかにし、骨折を防げる可能性が高まります。
対策の土台になるのが、毎日の食事と運動です。カルシウムやビタミンD、ビタミンK、たんぱく質を意識した食事に、骨に適度な刺激を与えるウォーキングなどの運動を組み合わせると、骨を保つ力を後押しできます。日光を浴びることも、骨づくりには欠かせません。
骨を強く保つことと並んで、転ばない体づくりも骨折予防の柱になります。足腰の筋力強化や片足起立などのやバランスを保つ運動は、骨折の引き金となる転倒そのものを減らしてくれます。
そのうえで、必要な方には薬による治療も選択肢になるでしょう。骨密度の数値や骨折のリスクに応じて、骨の減りを抑えたり、骨をつくる働きを助けたりする薬を、医師が選んでいきます。数値を追いながら治療を続けることで、少しずつでも骨を守る手ごたえが生まれます。
検査は、対策に踏み出す第一歩です。今の状態を知ってはじめて、自分に合った備えを選べるようになります。
蕨で骨粗鬆症の検査を考えるなら
骨粗鬆症は、痛みのないまま進み、骨折して初めて気づくことの多い病気です。だからこそ、思い当たることがあれば、症状がなくても一度、骨の状態を検査で確かめておく価値があります。早く気づくほど、これから先の骨を守れる時間は長くなるはずです。
蕨セントラル整形外科は、理学療法士と作業療法士による運動器リハビリテーションを軸に、お子さんからご高齢の方まで幅広い年齢層に対応し、骨粗鬆症の検査や相談も受け付けています。蕨駅から徒歩8分、無料駐車場もそなえていますので、通いやすい環境です。
閉経を迎えて骨が気になる、家族に骨粗鬆症の人がいる、背が縮んだ気がするなど、気がかりなことがありましたら、お気軽にご相談ください。骨の健康を守る一歩を、一緒に考えていきます。

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